みなさんは「ニッチ」という言葉の意味を知っていますか?ニッチには隙間という意味があります。ニッチな趣味、ニッチ産業というと、一般には気づかれていないような、穴場的なという意味になりますが、建築においてもニッチという言葉が使われることがあります。

 

建築現場で使用されるニッチとは?

西洋建築では、花瓶などを飾るために、厚みのある壁をくぼませることで棚のようなものを造っていました。ニッチはそのくぼんだ部分のことを指します。

ニッチの活用術

そんなニッチには、さまざまな活用方法があります。

ディスプレイ棚として使う

ニッチの活用方法として多いのが、ディスプレイ棚です。家の顔とも言える玄関に、季節の花を置くだけでパッと華やかになります。また、殺風景になりがちな廊下や階段の壁に造り、旅行先で撮った写真や小さなグリーン飾るだけで簡単にオシャレに見せることができます。フィギュアなど趣味で何かを収集している人には特におすすめの活用法と言えます。

 

モニターやスイッチのスペースとして使う

インターフォンのモニターや居室の電気のスイッチなどからは、やけに生活感を感じますよね。部屋の雰囲気にこだわっている人の中には、生活感のあるものは極力隠したいと思う方もいるはずです。そういうときは、目立たない場所にニッチを設けてスイッチやモニターを一つにまとめてしまいましょう。

マガジンラックとして使う

あまり奥行きがないニッチの場合は、マガジンラックとして活用する方法がおすすめです。あらかじめニッチにポールを設置してもらってもいいですし、100円均一で売っているような突っ張り棒を自分で設置することで、雑誌やよく見るレシピ本、子どもの絵本などをオシャレにしまうことができます。

収納として使う

ニッチの人気な活用法といえばやはり収納。収納棚を設置してしまうと居住空間が圧迫されてしまうという悩みがありますが、ニッチであれば新たなスペースはいりません。たとえば、狭い空間でありながら意外に物が多いトイレに造ることで、ストック用のトイレットペーパーや洗剤などを収納することができます。また、洗面化粧台は部屋の角に造られることが多いです。左右どちらかが壁に接しているのであれば、その壁にニッチを造って、歯ブラシやドライヤー、化粧水など、そこで使うものをまとめて収納しておくと非常に便利です。もう一つのおすすめはキッチン。コンロとシンクの間の調理スペースに、スパイス棚を別途設けている家庭をよく見かけますが、できれば調理場は広々させたいですよね。その場合はニッチに調味料などを収納すると、スッキリさせることができます。オシャレなビンに入れておけば、人から見えてしまっても問題ありません。

コルクボードや黒板の設置スペースとして使う

個性的な使い方として、ニッチにコルクボードや黒板を設置するという方法があります。黒板であれば、「今日は夕飯いらないよ!」など家族への要件を伝えるために使ってみたり、コルクボードの場合は、思い出の写真や子どもたちが描いた絵を飾ってあげることで、インテリアとして楽しめます。

ニッチを造る際の注意点

オシャレでいろいろな活用法があるニッチですが、造る前に知っておくべき注意点があります。

造ることのできる場所は限られている

ニッチはどこにでも造ることができるのかというと、そうではありません。外壁面に接している壁は断熱材が入っているので、ニッチを造ることはできません。また、耐力壁といって、地震の揺れや強風など横からかかる力に耐えるための壁にもニッチを造ることはできません。造ることができるのは基本的に室内壁です。ニッチは希望通りの場所に設置できないこともあるということを理解しておきましょう。

壁の厚み以上の奥行きは造れない

ニッチは壁の一部をくりぬいて造られるので、その壁の厚み以上に深い奥行きの棚を造ることはできません。完成していざ使おうと思ったら、置きたかったものが全然置けないということも。そのため、どう活用するのか、何を入れるのかを明確にしておく必要があります。

まとめ

いかがでしたか?どう活用するのかというあなたのセンス次第で、家に個性をもたせることができます。今回は活用法だけでなく、造る際の注意点も一緒に紹介しました。造れる場所に制限があることや奥行きについて知っておかないと完成後に後悔してしまうこともあるのでしっかり設計の段階で検討しましょう。