カビ発生は怖くない、カビ発生の原因とその対処法は?

2021年10月7日

カビはどんな家でもどんな空間でも発生する可能性があります。そして、カビは一度発生してしまうとなかなか取り除くことが難しいので、発生しないように予防することが大切です。カビについて正しく理解しておけば、むだなく適切な対応ができ、快適な生活を実現できます。

カビとは・・・

カビとは、有機物質上に生じる一部の菌類のこと。子実体を形成せず、菌糸からなる糸状菌です。接合菌類、子嚢菌、担子菌の分生子世代、不完全菌類があり、培養すれば線毛状の菌糸が円の形をしたコロニーを作ります。また表面にはたくさんの胞子を生み出し、胞子を飛ばして増殖します。

カビの特徴

梅雨や台風が多い6月から9月の湿気が多い時期に発生します。カビが発生したものは、腐敗や劣化を起こし、独特の臭いを放ちます。カビが生えた食べ物を食べた場合は、食中毒を起こすほか、胞子を吸い込んだ場合はアレルギーを引き起こすこともあります。悪い印象がありますが、一方で発酵食品やペニシリンといった薬品を作るのに重要な役割を果たすカビもあります。

カビ発生の背景

カビはあらゆる場所で発生します。近年の住宅は、機密性が高まり、快適かつ省エネが実現できますが、その分換気量が不足して室内に湿気が留まり、カビが発生しやすくなったといわれています。つまり、しっかりと換気を行っていれば、カビの発生は防ぐことができるのです。

カビ発生の原因

カビは、
①カビ菌(空気中であればどこにでも存在)
②空気(水中以外のどの空間にも存在)
③水分(相対湿度80%以上になるとカビが発生)
④栄養分(食べ物、ホコリ、人の髪の毛や垢、石鹸やシャンプーのカスなどの有機物質)、という4つの条件が揃うと発生します。 また、室内空間の適切な湿度は55%といわれており、理想的な空間は映画館がその湿度になっています。日本は湿度が高いので、特に6月〜9月の湿度が高い雨期や、雨が降っている時は要注意です。

カビ発生しやすい場所

湿気の多い場所はカビが発生しやすいことはよく知られています。また、換気がうまくできていない場所、人が出入りしない場所、日陰なども湿気が溜まりやすいのでカビは好みます。
代表的なカビが発生しやすい場所は以下の通りです。

<1.お風呂>

お風呂はカビが最も発生しやすい場所です。栄養分、水分、空気がたくさんあるので、放っておくとすぐにカビが発生してしまいます。乾燥させれば、カビの発生を防ぐことができますが、入隅部分はなかなか乾燥しにくく、さらに垢などの栄養分もたまるため、黒いカビが発生してしまうケースがよく見られます。お風呂では、換気をしっかり行って乾燥させるだけでなく、乾燥しにくい場所は、水分をスクレーパーなどでふき取るとカビの発生リスクを減らすことができます。

<2.脱衣所>

脱衣場は、お風呂の次にカビが発生しやすい場所です。脱衣所は北側にある住宅も多く、お風呂の隣にあるため湿気が多いのが特長です。さらに、汗がしみこんだ洗濯物が置いてあるため湿度が高まり、空気も滞留するためカビが発生しやすいといわれます。脱衣所では、換気とこまめな掃除でカビの発生を抑えることができます。また、この場所には、カビの栄養分となるちりやほこりが絡まった髪の毛が落ちていることが多いので注意しましょう。

<3.キッチン>

キッチンは水分や油跳ねが多いところです。これらはカビだけでなく、害虫も好むので、こまめに掃除を行いましょう。掃除機で食べ物のクズやカスを吸い取り、ホコリのたまりやすい冷蔵庫の上部やキャビネットの上部も定期的に掃除することをおすすめします。

<4.玄関>

玄関は、外からの有機物がついた靴、汗をかいた靴、雨に濡れた傘などがあり、どうしても湿気が高くなります。水分がついたらすぐにふき取る、ごみやほこりなどをためないようにするなど、こまめな掃除が必要です。

<5.シューズクローゼット>

シューズクローゼットは玄関に隣接し、日陰になっているケースが多く、さらには使用後の靴の湿気で湿度は上昇します。カビだけでなく、臭いも発生することが多いので、湿気取りなどを使って、上手に乾燥させましょう。

<6.押し入れ>

押し入れはあまり空気の出入りがないため、湿気たものを入れておくと押し入れ自体の湿度が上がってしまいます。湿気取りを使用して、乾燥させるようにしましょう。また、布団や衣類をしまうときは、よく乾燥させておくことが大切です。また、布団圧縮袋などを使って収納することでカビの発生を予防できます。

<7.北側の部屋>

北側の部屋は、日があたらないため、南側の部屋よりもカビの発生リスクが高まります。建物の性能によって、冬は結露が発生することもあるので、常に換気を行い、湿度計を置いて、湿度を確認しながら、快適な空間を作りましょう。

<8.サッシの桟>

近年のサッシはペアガラスやトリプルサッシなどがあり、結露の発生が少なってきました。けれども、結露が発生しないとは限らないため、部屋全体を乾燥させるだけでなく、サッシに積もるホコリもこまめに取り除きましょう。

<9.ビニールクロス>

最近の住宅で最も多く使用されているビニールクロスは静電気を発生させる性質があります。そのためビニールクロスに付着したホコリが栄養となり、湿度が高くなって黒カビが発生することがあります。特にテレビの後ろのホコリがたまっている部分はカビが発生しやすいので注意しましょう。また、静電気を発生しない漆喰などの壁建材を使用すると、カビ発生のリスクは大きく軽減できます。

カビの人体への影響

空気中には常にカビの胞子が漂っています。カビが壁などについて増殖し、さらに胞子の量が増加すると、アレルギーや感染症などを引き起こし、人の体にさまざまな影響を与えます。具体的な疾患には次のようなものがあります。

<1.アレルギー疾患>

カビの胞子はとても小さく、呼吸を通じて人体に入ると、「アレルギー性結膜炎」「アレルギー性喘息」といったさまざまな病気を引き起こします。バスルームなどで繁殖しやすいアルテルナリアというカビは、「アレルギー性鼻炎」や「気管支ぜんそく」の原因に、また、トリコスポロンというカビは、吸い込んで肺に入ってしまうと「夏型過敏性肺炎」になることもあります。

<2.感染症>

カビは人が健康な時にはあまり影響はありませんが、からだが弱っていると、カビが人体の組織に取り付いて繁殖し、感染症を引き起こすことがあります。足に発生すると「水虫」、背中なら「たむし」とよばれる白癬菌は、最も有名な人体で繁殖するカビの一つです。また、鳥の糞で繁殖するクリプトコックス・ネオフォルマンス抗原は、「髄膜炎」や肺の病気の原因にもなります。

<3.食中毒>

食べ物でカビが繁殖すると、「カビ毒」を発生することがあります。これは、食中毒を起こすだけでなく、発がん性があると認定されるなど、人体に有害なので注意しましょう。アフラトキシン類(2008年にトウモロコシやピーナッツなどの輸入食品から検出)、畑等の土壌に多く生息しているフザリウム(トウモロコシや麦類で発生例あり)、オクラトキシンA(豆類やコーヒー豆などから検出)などがあります。カビ自体は加熱により死滅しますが、カビ毒は熱に強く、食品が汚染されてしまうと、通常の加工・調理では完全に除くことができないものもあるので要注意です。

カビ発生を抑えるコツ

カビはさまざまな問題を起こしますが、残念ながら完全に防ぐことはできません。大切なのはこまめな掃除や換気など、カビが繁殖しやすい環境を作らないことです。水垢などを残さない、布団や衣類を十分乾燥させる、押し入れなどにもモノを詰め込まないなど、清潔に通気性をよくすることで、カビの繁殖を抑制しましょう。
繁殖してしまったときは、市販のカビ取り剤を使って早めに取り除くことも大切です。カビ取り剤には「酸素系」と「塩素系」があります。「酸素系」は早くカビを発見できた場合に、「塩素系」はコロニー発生から時間が経過したカビに使用するなど、使い分けると効果的です。塩素系のカビ取り剤はにおいが強烈で、酸性のものと混ぜると有毒なガスが出るので、使用する際は十分な換気をするなど注意が必要です。
カビを取り除く際、表面に見えるカビのコロニーを取り除くだけでは、同じ場所にカビは何度も生えてきます。再発防止にはカビが発生した場所を定期的に除菌すること。掃除の後に「次亜塩素酸水」をスプレーで吹きかけると、カビが根を張るのを防ぎます。

カビ防止に強い建材

カビを発生させないために、カビが発生しにくい建材を選ぶこともできます。例えば、江戸時代によく使われていた塗り壁材「漆喰(しっくい)」は、もとは石灰で日本のあらゆる場所で産出されており、特に四国の高知産のものは白度が高くきれいだといわれます。炭酸カルシウムと水酸化カルシウムが主成分で、割れにくくなるように海藻のふのり、ぎんなん藻、植物のスサを混ぜて使用します。漆喰はPh12~14という強アルカリであるため、カビやウィルスは繁殖することができません。また、夏は放湿、冬は吸湿と調湿効果があり、さらには反射性能、消臭効果も高く、省エネ性能もあるため、一年中快適な空間を作ることができます。

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